シェアハウス大会議に参加して ‐シェアハウスの今と未来‐

ミナモトです!!

 

皆さんにとって寒い季節になりましたね。20℃弱の気温は北海道人にとっては残暑です。

全然寒くないんで本当に。強がりとか、そんなのじゃないです。

 

さて今回は、11月2日(日)に東洋大学で開催されたシェアハウス大会議についてまとめたいと思います。

名称未設定

私も登壇したかったのですが、趣旨が違いましたので、また是非今度機会があれば、絶対に!!!←関係者各位オネシャス笑

 

 

さて上の件は置いておいて、本題に入りたいと思います。

 

 

テーマはシェアハウスの現在と今

会場は参加者70名前後で立ち見が出るほど一杯になっておりました。

 

スピーカーである久保田准教授(以下久保田先生)による参加者の属性チェックがあったのですが、”シェアハウスをやってみたい、住んでみたい”という方が20%ほどいました。

”社員寮や学生寮、ルームシェア等、誰かと暮らす経験をしたことがある”という方は50%以上おりました。

東京都内でルームシェアやシェアハウスに住んだことのある割合は0.3%ですので、特定の属性が多く参加していることになります。

 

どんな会議になるのかワクワクしてきますね!

 

タイムテーブルは前後半に分かれており、前半は日本大学准教授の久保田 裕之先生の講演と、後半の6名のパネラーによるパネルディスカッションでございました。

 

【前半】シェアハウスの研究者・久保田裕之准教授による講演

■久保田裕之先生プロフィール

日本大学准教授(家族社会学)

ルームシェア/シェアハウス、コレクティブハウス、グループホームといった家族ではない他人との共同生活実践に関する調査をもとにして、家族を超える親密性/ケア/生活の共同性に関する理論的な研究を行う。

「若者の自立/自律と共同性の創造-シェアハウジング」「他人と暮らす若者たち」など、変化し続ける若者の家族観や共同住宅での暮らしの在り方について論じた著者多数。

※配布資料より引用

 

久保田先生は、シェアハウスという認識が社会に無かった時代にシェアハウスをしていました。

そもそも、シェアハウスという言葉自体も無かったようです。

 

現在では、シェアハウスという言葉は一般化しました。

ただそれでも定義もいまいちだったりします。

 

その理由は、「家族(血縁者)と一緒に暮らすこと以外で一緒に住まうことが今まで考えられてなかった。」からだそうです。

そのため、”家族(血縁者)”以外の方と一緒に住まう暮らし方を全て”シェアハウス”として指すようになったようです。

※イギリスのフラットシェアという言葉を輸入しようとしたようですが、うまく広がらなかったようです。

 

久保田先生の話に戻しますが、シェアハウスをする前は、”誰かと住むなんてできっこない!考えられない!”と思っていたようです。

出費が厳しい学生時代にルームシェアを体験したことで気付きがあったようです。

 

「プライバシーも手間は慣れと工夫で解決できる。シェア生活を体験した後は、むしろ、一人暮らしをするためにあんなに狭くて高い1Rに住むことがバカバカしくなった」

 

確かにシェアハウスは「規模の経済」が働くため”広ければ広い方が1㎡辺りの費用(家賃)は安くなる”ので金銭的メリットがあります。

 

久保田准教授は更に「規模の経済」にプラスαとして、「経験の経済」「範囲の経済」があると言います。

 

 

『料理好きま人と暮らすことで、知らない料理を学べた』←経験の経済

『自分とは違うスキルを持ってる人といることで、プロジェクトの成功率があがった』←範囲の経済

 

シェアハウスに住んでる方はうんうんと納得できるメリットですよね。

 

実はこのメリットはシェアハウスに限ってあるわけではありません。

このメリットはもともと家族にありました。

 

良く言われるのですが、”シェアハウスは『私有から共有』へというムーブメントの1つである”という風に語られるようですが、久保田准教授はこう言います。

 

「私有から共有と言われるがそうではない。もともと”家族(血縁者)だけ”という条件付の共有物が家族ではない誰かと共有するようになっていったのだ。」と…

 

もっともっと話を聞きたくなるところで、社会学の深層手前あたりで時間が来てしまった。

次回個人的にでもお話しをしたい限りです。

 

 

【後半】6名のシェアハウス運営者によるディスカッション

パネラーは下記の皆さま。

※プロフィールは配布資料より引用

B1bVJcWCcAESJPV

〈内田 勉〉

有限会社メディアエンジンCEO。屋上菜園等、”自給自足”をテーマにしたシェアハウス『シティファーム南砂』を運営。

港区のコンセプトシェアハウスAZABU LOOFメンバー。

大手メディアに勤務しながら、独立国家の建国の為奔走している。他にも、他人の家に泊まりまくるヒッチハウスプロジェクトという活動も。

 

〈沢木 宙〉

中野区に出来たばかりの女性専用シェアハウス『宙船』代表。

フリーのライター。ホームレス芸人・小谷真理のマネージャー。

シェアハウスっぽくないシェアハウス宙船。住人は女性4人。

 

〈菅谷 圭裕〉

87年生。法政大学卒。ライター、ヘルパー。自身らが学生起業した会社の代表取締役。

政治活動、アーバンガーデニング、イベントのオーガナイズなどマルチに活躍する傍ら、りべるたんにて代表を務める。

 

〈pha〉

78年生。大阪府出身。京都大学に入学するも、オンボロ学生寮に入ってダメ人間的生活に目覚める。6年をかけて卒業。

社内ニート的なサラリーマンを3年続けたが、2007年に仕事がだるくなって退社、以降定職に就かずに本格的にニート道を追求する。

その傍ら、ブログは10万ページビューを持ち、パソコンやネットが好きな人が集まって暮らすシェアハウス「ギークハウスプロジェクト」の発起人でもある。

著者に『ニートの歩き方』。

 

〈藤野 ふみや〉

91年生。神戸モトコー商店街にて営業されているコミュニティカフェCoffee shopLEAD、ブラックマンデーの店主。

「人とふとが繋がるお店」をめざし、日々商店街や地域の活性化事業や店舗経営ノウハウのシェアなど、喫茶店の枠に収まらない活動を多岐にわたり実践している。

 

上記5名に久保田先生を加えた6名によるディスカッションが開催されました。

 

フリートークの間にちょこちょこ質問が上がっておりましたので、ピックアップします。

 

Q.あえて聞く、シェアハウスのデメリットとは?

A.「コミュニティのメンテナンス」

それは、落ち込んでいるシェアメイトに気をつかったり、お互いの価値観の相違でルールを再編成したり、ということだそうです。

特に多かった問題は「今日は一人が良い」という場合に一人になれない環境だということです。

例えば、恋人と一緒の時間を共有できないとか、作業に集中出来ないとか。

 

Q.一人になりたい時はどうしてますか?

A.「公園で過ごす」(菅谷さん)

これは実際に経験した方も多いと思います笑

 

A.「一人になることは、アウトソースできる」(phaさん)

ネットカフェや漫喫などで1人の時間を作ることは出来ます。

確かに、一人の時間、一人の空間はサービスとして結構ありそうですね。

 

Q.シェアハウスに居る人たちの職業は?

A.ほとんどがニート・ノマド・フリーランス

今回のパネラーの中で社員として安定雇用されているのは内田さんぐらいでした。

 

 

シェアハウスの未来

Q.今後、シェアハウスはどのようになっていくのか?

シェアハウスプレイヤーの皆さんはこう答えました。


A.「試し的にやっているので、2年後どうなっているかはわからない」(宙さん)

A.「やりたいと思っている人がいれば続けていく」(藤野さん)

A.「シェアハウスはインフラ。インフラをどこに建てるか、でシェアハウスの色も変わる。日本には不満なんで建国したいっす」(内田さん)

 

私から久保田教授に質問をさせていただきました。

Q.源「ライフスタイルが変わってる中、新しいシェアハウスとして今後、注目しているものはありますか?」

A.久保田先生「オペレーションがシンプルなシェアハウスは可能性がある。利害関係が一致している場合など。20代の若者がいるからシェアハウスの運営が楽なんです。家にいない。すぐに引越しする。これが変わってくることでオペレーションが複雑化するのであれば、それはハードルになる。」

とのこと。

 

 

全体を通して、「シェアハウス」という定義があいまいなものを取り扱ったため、アウトラインをなぞって行くような大会議でした。

 

シェアハウスでは暮らし方のバラエティが沢山あります。

この多様性が、1つのピラミッド社会から出て行きたい人の新しい居場所や受け皿にもなっていく気がします。

 

シェアハウスは今後の暮らし方の1つとして面白い機能を持っているに違いないと確信した1日でした。